建設業許可の変更届とは?住所・商号・役員変更の期限と手続きを解説

建設業許可の変更届をイメージした書類、ペン、ヘルメットが並ぶ事務所の机 建設業許可

福生市・あきる野市・羽村市など西多摩地域の建設業許可実務ブログ

建設業許可の変更届とは?住所・商号・役員変更の期限と手続きを解説

建設業許可は、取得したら終わりではありません。会社の住所、商号、役員、営業所技術者等に変更があった場合は、内容に応じて30日以内または2週間以内の届出が必要になることがあります。

建設業許可を受けた後、会社の住所、商号、役員などに変更があった場合は、建設業許可についても変更届が必要になることがあります。

結論から申し上げると、建設業許可は「取得したら終わり」ではありません。

会社の登記を変更しただけでは、建設業許可の変更手続きまで完了したことにはならないため、注意が必要です。

行政書士の内倉厚です。39年の行政経験を生かし、福生市・あきる野市・羽村市・青梅市をはじめとする西多摩地域の建設業者様が、手続きへの不安を減らし、本業に集中できるよう支援したいと考えています。

建設業許可の変更届とは

建設業許可の変更届とは、許可申請時に届け出た内容に変更が生じた場合に、その内容を許可行政庁へ報告する手続きです。

建設業法では、許可業者に一定の変更事項を届け出る義務を定めています。

  • 会社の商号を変更した
  • 本店や営業所を移転した
  • 代表取締役や取締役が交代した
  • 資本金を変更した
  • 建設業法上の営業所を新設または廃止した
  • 常勤役員等を変更した
  • 営業所技術者等を変更した

「常勤役員等」とは、建設業の経営管理体制を確保するため、本店などに常勤する役員等をいいます。

「営業所技術者等」とは、許可を受けた建設業について必要な資格や実務経験を持ち、原則として営業所ごとに置かれる技術者です。以前は「専任技術者」と呼ばれていました。

変更届と決算変更届は別の手続き

建設業許可には、今回取り上げる変更届のほかに「決算変更届」があります。名称は似ていますが、両者は別の手続きです。

今回の変更届

会社や許可要件に関する変更が生じたときに、その都度提出します。対象となるのは、商号、所在地、役員、常勤役員等、営業所技術者等などです。

決算変更届

毎事業年度の終了後、原則として4か月以内に提出する定期的な届出です。工事経歴書、直前3年の工事施工金額、財務諸表、納税証明書などを提出します。

変更の有無にかかわらず、原則として毎年必要です。

「建設業許可取得後は毎年必要|決算変更届の期限・必要書類・未提出時の注意点」についてはこちら

変更届が必要になる主なケース

商号または名称を変更した場合

法人の商号や個人事業の名称を変更した場合は、建設業許可についても変更届が必要です。法人の場合、通常は商号変更の登記を行ったうえで、変更後の内容を確認できる登記事項証明書などを添付します。

主たる営業所の所在地を変更した場合

本店など、建設業法上の主たる営業所を移転した場合も変更届が必要です。登記上の本店所在地だけを変更する場合と、実際に建設業を営む営業所を移転する場合とでは、必要書類や確認内容が異なることがあります。

東京都の大臣許可向け資料では、営業所移転の確認書類として、登記事項証明書のほか、建物の外観、入口、内部、建設業許可票などを写した営業所写真が示されています。知事許可では運用や必要書類が異なることがあるため、最新の手引を確認することが大切です。

役員を変更した場合

取締役、代表取締役、業務執行社員など、建設業法上の「役員等」に変更があった場合は、変更届が必要です。

  • 新しい取締役の就任
  • 取締役の退任
  • 代表取締役の交代
  • 役員の氏名変更
  • 取締役から代表取締役になるなどの役職変更

株式会社の監査役は、建設業法上の「役員等」には通常含まれません。ただし、会社の組織形態や、その方が実際に持つ権限・支配力によって確認が必要な場合があります。

資本金額を変更した場合

増資や減資により資本金額が変わった場合も、変更届の対象です。法人登記だけで手続きが完了するわけではないため、建設業許可についての届出も忘れないようにしましょう。

営業所を新設・廃止した場合

建設業法上の営業所を新設、移転または廃止する場合は、変更内容に応じた手続きが必要です。ここでいう営業所とは、単なる作業員の詰所や資材置場ではなく、請負契約の締結など、建設業に関する営業活動を行う拠点をいいます。

常勤役員等を変更した場合

常勤役員等を交代させる場合には、新たに就任する方が必要な経営経験などを満たしているか確認しなければなりません。退職などによって常勤役員等が不在になり、代わりの方が要件を満たせない場合は、許可の継続に関わる可能性があります。

営業所技術者等を変更した場合

営業所技術者等が退職、異動または交代する場合にも届出が必要です。新たな営業所技術者等については、資格者証、合格証明書、卒業証明書、実務経験証明書などにより、担当する業種の要件を満たすことを証明します。

東京都では、2026年7月1日から、建設業許可申請や変更届における常勤性の確認資料の取扱いが変更されています。提出時には、最新の案内を確認する必要があります。

変更届の提出期限は30日以内または2週間以内

変更届の提出期限は、変更内容によって異なります。

原則として30日以内の主な変更

  • 商号または名称
  • 主たる営業所の所在地
  • 資本金額
  • 代表者
  • 役員等の就任、退任、氏名や役職の変更

これらは、変更が生じてから原則として30日以内に届け出ます。

原則として2週間以内の主な変更

  • 常勤役員等
  • 常勤役員等を直接補佐する者
  • 営業所技術者等
  • 建設業法施行令第3条に規定する使用人

「令第3条に規定する使用人」とは、支店長や営業所長など、代表者から建設工事の請負契約に関する権限を与えられている方をいいます。

これらは許可要件や営業所の契約体制に直接関わるため、原則として変更後2週間以内の届出が求められます。

法人登記と建設業許可の変更届は別です

特に見落としやすいのが、法人登記と建設業許可の変更届の違いです。代表取締役を交代した場合、法務局で代表取締役の変更登記を行います。

しかし、登記を終えただけでは、建設業許可の代表者変更や役員変更まで自動的に反映されるわけではありません。

  1. 株主総会や社員総会などで役員を選任する
  2. 法務局で役員変更登記を行う
  3. 建設業許可の変更届を提出する
  4. 必要に応じて税務署、都道府県、市区町村などにも届け出る

それぞれ提出先、期限、必要書類が異なります。「登記を済ませたので、建設業許可も変更されたはず」と考えないよう注意しましょう。

変更届に必要となる主な書類

必要書類は変更内容や許可行政庁によって異なりますが、主に次のような書類が使用されます。

  • 変更届出書
  • 登記事項証明書
  • 株主・出資者調書
  • 誓約書
  • 役員等の住所、生年月日等に関する調書
  • 市区町村が発行する身分証明書
  • 登記されていないことの証明書
  • 営業所の使用権限を確認する書類
  • 営業所の写真
  • 資格証明書や合格証明書
  • 実務経験証明書
  • 常勤性や雇用関係を確認する書類

すべての変更で、これらの書類が必要になるわけではありません。例えば、商号変更と営業所技術者等の変更では、使用する様式も添付書類も大きく異なります。

証明書には「発行後3か月以内」などの有効期間が設けられていることがあります。早く取得しすぎても提出時に古くなってしまうため、全体のスケジュールを確認してから取得することが大切です。

複数の変更が同時に起きた場合

本店移転と代表者交代など、複数の変更が同じ時期に発生することもあります。この場合、同じ時期にまとめて提出できることはありますが、すべてを1枚の変更届だけで処理できるとは限りません。

また、提出期限は変更事項ごとに判断します。30日以内の役員変更と、2週間以内の営業所技術者等の変更が同時に発生した場合、営業所技術者等の変更については2週間以内に対応しなければなりません。

「一番遅い期限までにまとめて提出すればよい」ということではありません。変更事項ごとに期限と必要書類を確認しましょう。
  • 何が変更になるのか
  • それぞれの変更日はいつか
  • 登記が必要な変更か
  • 許可要件に関係する変更か
  • 各変更の提出期限はいつか
  • 同時に提出できる書類はどれか

営業所を他の都道府県へ移す場合は特に注意

営業所を東京都から他の都道府県へ移転または新設する場合は、単純な所在地変更だけでは済まないことがあります。

東京都内の営業所をすべて他県へ移す場合

東京都知事許可を受けている事業者が、東京都内の建設業法上の営業所をすべて廃止し、神奈川県内だけに営業所を置く場合は、神奈川県知事許可への「許可換え新規」が必要になると考えられます。

許可換え新規とは、営業所の所在地変更などにより許可行政庁が変わる場合に、新しい行政庁から改めて許可を受ける手続きです。

東京都に営業所を残したまま他県にも営業所を置く場合

東京都知事許可の事業者が、東京都内に営業所を残したまま神奈川県にも建設業法上の営業所を設ける場合は、2以上の都道府県に営業所を置くことになるため、原則として国土交通大臣許可への許可換え新規が必要です。

ただし、他県の拠点が単なる資材置場や現場事務所であり、建設業法上の営業所に該当しない場合は、直ちに大臣許可が必要になるとは限りません。実際の機能や権限を踏まえた判断が必要です。

「知事許可のまま複数の都道府県に建設業法上の営業所を置く」という状態は、原則として認められません。営業所の移転や新設を計画する際は、賃貸借契約や登記を行う前に、建設業許可への影響を確認することをおすすめします。

変更届を提出していない場合はどうなるのか

変更届を提出しないことは、建設業法上の届出義務に違反することになります。

建設業法第50条には、建設業法第11条に基づく変更届を提出しなかった場合などについて、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金という罰則が定められています。

もっとも、届出が遅れたからといって、直ちに許可が取り消されると一律に決まっているわけではありません。

実務上は、遅れた理由や再発防止策について、書面での説明を求められる場合があります。また、必要な変更届や決算変更届が未提出のままでは、更新、業種追加、経営事項審査などの手続きを進められないことがあります。

未提出に気付いた場合は、放置するのではなく、早めに許可行政庁または行政書士へ相談することが大切です。

建設業許可の変更届を円滑に進めるポイント

変更が決まった段階で確認する

役員の退任や営業所移転が完了してからではなく、変更を予定している段階で確認すると、許可要件が途切れるリスクを減らせます。特に、常勤役員等や営業所技術者等の退職・交代は、事前確認が重要です。

過去の申請書と変更届を保管する

過去の許可申請書、変更届、決算変更届の副本や控えを整理しておくと、現在の登録内容を確認しやすくなります。会社で把握している内容と、行政庁へ届け出ている内容が一致しているとは限りません。

登記手続きと許可手続きを一緒に整理する

商号、本店所在地、代表者、役員などを変更する場合は、司法書士が担当する法人登記と、行政書士が担当できる建設業許可の変更届を分けて整理する必要があります。

許可行政庁の最新の手引を確認する

必要書類や確認資料の運用は、制度改正や行政庁の取扱変更によって変わることがあります。東京都知事許可の場合は東京都、国土交通大臣許可の場合は管轄する地方整備局の最新資料を確認することが重要です。

行政書士に変更届を依頼するメリット

建設業許可の変更届は、変更内容によって期限、様式、必要書類が異なります。行政書士に依頼することで、次のような支援を受けられます。

  • 届出が必要な変更事項の整理
  • 提出期限の確認
  • 必要書類の案内
  • 届出書類の作成
  • 許可要件への影響の確認
  • 許可行政庁への事前確認
  • 更新や決算変更届を含めた今後の予定の整理

ただし、「行政書士に依頼すれば必ず一度で受理される」と断言することはできません。行政庁の審査により、追加資料や説明を求められることもあります。

行政書士の役割は、一度での受理を保証することではなく、事実関係を丁寧に確認し、必要な書類を整え、手続き上の不安や事業者様の負担を減らすことにあると私は考えています。

「建設業許可は自分で申請できる?行政書士に依頼するメリット・デメリットを比較 」についてはこちら

まとめ|建設業許可は取得後の変更管理も大切です

建設業許可を受けた後に、商号、所在地、代表者、役員、常勤役員等、営業所技術者等などが変わった場合は、変更届が必要になることがあります。

  • 商号、所在地、資本金、代表者、役員等の変更は、原則として30日以内
  • 常勤役員等、営業所技術者等、令第3条の使用人などの変更は、原則として2週間以内
  • 法人登記と建設業許可の変更届は別の手続き
  • 業種追加は変更届ではなく、許可申請
  • 許可業種の全部または一部を廃止する場合は、変更届ではなく廃業届
  • 他の都道府県に営業所を移転・新設する場合は、許可換え新規が必要になることがある
  • 未提出に気付いた場合は、放置せず早めに対応する

建設業許可は、取得して終わりではなく、会社の変化に合わせて適切に管理していく必要があります。

許認可手続きでお困りの方へ

建設業許可の変更届、決算変更届、更新申請などで不安がある場合は、早めに状況を整理することが大切です。福生市・あきる野市・羽村市・青梅市をはじめ、西多摩地域周辺の建設業者様からのご相談を承ります。

この記事は一般的な制度の説明です。必要書類や行政庁の取扱いは、許可区分、法人形態、変更内容などによって異なります。実際の手続きでは、提出時点の最新の手引や許可行政庁への確認が必要です。