建設業許可は決算ごとに点検する|年1回確認したい7項目と継続管理の方法

建設業許可の年次点検と決算報告をイメージした書類、ペン、ヘルメットの写真 建設業許可

建設業許可は決算ごとに点検を|年1回確認したい7項目と継続管理の方法

建設業許可は、5年ごとの更新だけを確認していればよい手続きではありません。毎年の決算報告をきっかけに、変更届、業種追加、経審・入札、更新期限まで確認しておくことが大切です。

建設業許可は、5年ごとの更新だけを確認していればよい手続きではありません。

許可を受けた建設業者は、毎事業年度終了後4か月以内に決算報告(決算変更届)を提出する必要があります。また、役員、営業所、常勤役員等、営業所技術者等などに変更があった場合には、変更内容に応じた期限内に変更届を提出しなければなりません。

さらに、事業内容が広がれば業種追加を検討することもありますし、公共工事を目指す場合には経営事項審査や入札参加資格申請についても計画的な準備が必要になります。

そのため私は、建設業許可を「5年に一度更新するもの」ではなく、決算を一つの区切りとして、毎年状態を点検していくものとして管理することが大切だと考えています。

行政書士の内倉 厚です。

福生市・あきる野市・羽村市・青梅市をはじめ、西多摩地域周辺の建設業者様を対象に、建設業許可を中心とした手続きの支援を行っています。

この記事では、決算変更届そのものの詳しい書き方ではなく、決算を一つの区切りとして、建設業許可全体を毎年どのように確認していけばよいのかを解説します。

決算変更届の提出期限や必要書類、未提出時の注意点について詳しく知りたい方は、建設業許可取得後は毎年必要|決算変更届の期限・必要書類・未提出時の注意点をご確認ください。

決算を毎年の「建設業許可点検」の機会にする

一般的には「決算変更届」「事業年度終了届」などと呼ばれ、東京都では「決算報告」「決算報告書(決算変更届)」という表記が使われています。

東京都知事許可の場合、決算報告は事業年度終了後4か月以内に提出します。

主な提出書類には、次のようなものがあります。

  • 工事経歴書
  • 直前3年の各事業年度における工事施工金額
  • 建設業法上の財務諸表
  • 法人事業税または個人事業税の納税(課税)証明書など
  • 事業報告書(特例有限会社を除く株式会社の場合)

税務申告用の決算書が完成していても、それだけで建設業法上の決算報告が完了するわけではありません。建設業法上の様式に基づく財務諸表や工事経歴書などを作成し、必要な書類とともに提出します。

また、使用人数や定款に変更がある場合、健康保険等の加入状況について前回届出時から人数に変更がある場合には、追加して提出する書類があります。

私は、この決算報告を単に「今年分の書類を提出する作業」で終わらせず、許可全体を確認する年1回の機会として活用することに意味があると考えています。

決算の時期に確認したい項目

決算報告を準備するときには、あわせて次の点を確認しておくと、現在の許可状況と今後必要になる手続きを整理しやすくなります。

  • 役員に変更はなかったか
  • 営業所に変更はなかったか
  • 常勤役員等に変更はなかったか
  • 営業所技術者等に変更はなかったか
  • 今後、追加が必要になりそうな許可業種はないか
  • 次回の許可更新日はいつか
  • 経審・入札参加を予定していないか

年1回点検すれば、変更届を決算時まで待ってよいという意味ではありません。役員、営業所、常勤役員等、営業所技術者等などの変更には、それぞれ提出期限があります。

会社や事業の状況が変われば、変更届だけでなく、別の許可申請が必要になることもあります。

例えば、今後受注したい工事に現在の許可業種では対応できない場合には、業種追加を検討します。業種追加は変更届ではなく、新たな許可業種を追加するための許可申請です。

決算時には、「これまでどのような工事を受注してきたか」「今後どのような工事を増やしたいか」まで確認することで、必要な業種追加を早めに検討できます。

変更届について詳しくは、建設業許可の変更届とは?住所・商号・役員変更の期限と手続きを解説をご確認ください。

未提出の決算報告は更新・業種追加の前に整理する

東京都では、必要な決算報告や変更届が提出されていない状態では、更新申請や業種追加申請等を受け付けないと案内しています。

そのため、更新期限が近づいてから過年度の未提出が分かると、更新準備と並行して過去の決算報告を整理しなければならなくなることがあります。

時間が経つほど、次のような内容を確認するのに時間がかかる場合があります。

  • どの工事を施工したのか
  • どの許可業種に分類するのか
  • 元請だったのか下請だったのか
  • 請負金額はいくらだったのか

工事内容や請負金額を確認するため、手元の工事台帳、注文書、請求書、入金記録などを改めて確認する必要が生じることもあります。

その年度の資料がそろっているうちに毎年処理しておくことが、将来の更新や業種追加を円滑に進めることにつながります。

建設業許可の更新については、建設業許可の更新を忘れるとどうなる?期限・失効リスク・準備の進め方を解説も併せてご確認ください。

業種追加を考えるときにも決算時の点検が役立つ

建設会社では、事業を続ける中で受注する工事の種類が変わることがあります。

現在取得している許可業種だけでは対応できない工事が増えてきた場合には、業種追加を検討することになります。

毎年の決算時に、次の点まで確認しておけば、必要な業種追加を早めに検討できます。

  • 最近どのような工事が増えているか
  • 今後受注したい工事は何か
  • 現在の許可業種で対応できるか

建設業許可は29業種に分かれています。許可業種については、建設業許可は29業種|どの業種で申請するかを工事内容別に解説をご確認ください。

経審・公共工事を考える場合は毎年の管理がさらに重要です

将来、国や地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負うことを目指す場合には、毎年の管理がさらに重要になります。

公共工事への入札参加を目指す場合には、建設業許可に加えて、経営状況分析・経営事項審査(経審)を経て、発注機関の入札参加資格申請へ進むのが一般的な流れです。

経審を予定している場合は、決算報告の段階から経審を見据えて工事実績を整理しておくことが重要です。

決算が終わった後になってから、次の点を一から確認するよりも、毎年の工事実績を継続して整理しておく方が準備しやすくなります。

  • どの工事をどの業種に計上するのか
  • 元請完成工事高をどのように整理するのか

公共工事への参入を検討している方は、公共工事を受注するには|建設業許可・経審・入札参加資格申請の流れを解説も参考にしてください。

毎年確認する仕組みをつくる

建設業許可の年次管理は、次の流れで考えると整理しやすくなります。

決算終了 → 決算報告 → 許可状況の年次点検 → 必要な業種の確認 → 経審・入札予定の確認 → 更新期限の確認

もちろん、期限のある変更届は変更が生じた時点で対応します。

年1回の点検は、変更届の提出期限を決算時まで延ばすという意味ではありません。

そのうえで年に一度、決算の時期に許可全体を点検することで、届出漏れ、更新期限、新たに必要となる手続きを改めて確認する機会をつくることができます。

建設業者様にとって、本来時間を使いたいのは、現場、営業、従業員の管理など本業の部分だと思います。

行政手続きについては、「いつ、何を確認するか」をあらかじめ仕組みにしておくことで、期限直前の慌ただしさを減らし、本業への影響を抑えやすくなります。

日常的な許可要件の管理や、失効・取消しを防ぐための注意点については、建設業許可の失効・取消しを防ぐには|更新・変更届・許可要件の維持を解説も併せてご確認ください。

一度の申請ではなく、許可を維持する間の支援

私は39年間の行政経験を通じて、行政手続きでは、期限が迫ってから書類をそろえるよりも、必要な時期を把握し、一つずつ確認しながら進めることが大切だと感じてきました。

建設業許可についても同じです。

許可を取得したときだけではなく、次の手続きを継続して管理することで、手続きの漏れや直前の慌ただしさを減らしやすくなります。

  • 毎年の決算報告
  • 変更事項の確認
  • 業種追加
  • 経審・入札への準備
  • 5年ごとの更新

一度きりの申請を終わらせることだけではなく、許可を維持している間も事業者様と長くお付き合いしながら支えていきたいと考えています。

まとめ|決算を建設業許可の年1回の点検時期に

建設業許可は、5年に一度の更新だけを管理すればよい制度ではありません。

毎年の決算報告に加え、変更が生じた場合には期限内に変更届を行い、事業の広がりに応じて業種追加や経審・入札参加についても検討していく必要があります。

そこで決算の時期を「建設業許可の年1回の点検時期」と考え、次の流れまで整理しておくことをおすすめします。

決算報告 → 許可状況の点検 → 業種追加の検討 → 経審・入札の確認 → 更新期限の確認

毎年少しずつ確認しておくことが、将来の更新や事業展開を円滑に進めることにつながります。

西多摩地域で建設業許可の継続管理にお困りの方へ

内倉厚行政書士事務所では、福生市・あきる野市・羽村市・青梅市・西多摩郡など、西多摩地域周辺の建設業者様からのご相談に対応しています。

今年の決算報告がまだ終わっていない、過年度分の提出状況が分からない、役員や営業所の変更届も確認したい、次回の更新まで継続して管理したい、将来は経審や入札参加も考えている、といった場合には、現在の許可状況を整理するところからご相談いただけます。

当事務所の決算変更届の報酬額は44,000円~(税込)です。案件の内容や過年度分の有無などを確認したうえで、正式なお見積りをご案内します。

建設業許可を「5年ごとの更新手続き」だけで終わらせず、毎年確認できる仕組みを事業者様と一緒に整えていきたいと考えています。

許認可手続きでお困りの方へ

建設業許可の決算報告、変更届、業種追加、経審・入札参加、更新期限の確認など、継続管理で不安がある場合は現在の許可状況の整理からご相談いただけます。